キャバクラ嬢として指名を取るためには、営業力の前に「お店でお客様を楽しませる」ことが大切です。
会話による接客で人を楽しませるというのは難しくてとても奥が深いものです。
しかしこれができるようになれば指名が取れるだけでなく、周りの人から愛されて、世の中も上手に渡っていくことができます。
この記事ではキャバクラ嬢の接客について書かれた本とそのポイントをまとめました。
キャバクラ嬢の作法
著者:酒巻 明子
有限会社禅代表取締役。1973年、埼玉県生まれ。17歳で水商売に入り、19歳でママに。3年で5店舗の出店に携わり、その間、15人のママ・チーママを育成する。年商5億円を達成し、24歳で独立。名物オーナーママとして、3店舗の経営に成功する。2008年、複合エンタテインメントを手がけるインフィニーグループと合併。新たにグループ300人以上のキャスト育成にあたり、普通の女の子から売れっ子ホステスを次々と輩出。
本のタイプ
「これをやれば指名が取れる!」というテクニック論よりも、キャバクラの接客で基礎となる意識や心構えが中心に紹介されています。
一見遠回りなようですが、基本となる考え方を最初にしっかり身に付けておくと、その後に学ぶテクニックも身に付きやすいです。
ピックアップポイント
口説かれても本気にしない
男性は気が多い生き物なので、他の店でも同時に他の子を口説いている。
一時的に切れたとしても、どこに行こうがキャバ嬢は基本的には口説けないので、最後は一番やさしい子のところに帰ってくる。
会話もメールもお客様を巻き込む
メールの相手が喜んでいる顔が想像できるような内容を考える。
例)「今日はストッキングをはくか網タイツをはくか迷っています。○○さんはどっちが好き?」
「外で会おう」というお客様
3か月くらい先の約束をしておいて、その間にお店に来てくれれば外で食事に行きましょう。
ただ、あまりガチガチにガードを固めるのも良くない。1回くらいは先行投資と思って食事に行ってみる。
お客様は店に行くお金がないとか、もったいないではなく、「ただの客扱いされてるんじゃないか?」「たまには特別扱いされたい」と、女の子を計っている。
昼間は心理カウンセラー 銀座No.1ホステスの心をつかむ話し方
著者:水希
スイスで生まれ、4歳で帰国。東京女子大学大学院にて、社会学修士号取得。専門は社会心理学。卒業後、編集プロダクションや企業の広報室長として働くも、途中で「うつ」になり、昼間働くことをあきらめて、銀座のホステスとなる。カウンセリングに通いながら、スクールに通い、カウンセラーになる勉強を始める。カウンセラーの勉強を始めたとたん、ホステスとしても開花し、ナンバーワンから看板ホステスの座を獲得する。2008年7月に東京中央カウンセリングを独立開業。
本のタイプ
多少難易度の高いテクニックが中心です。カウンセリングを学びたい人にもおすすめ。
ピックアップポイント
男性をとりこにする3つのツボ
安心して格好をつけられるツボ
同伴の時は出来るだけお客様がよく行っているホームグラウンドで。
気分が良くなるツボ
お客様の得意分野のうんちくを聞く。得意分野を話すことで自分の重要性を感じて満たされる。
追い続けたくなるツボ
相談という形をとってアドバイスを求める。
「○○さんだったら詳しいかなと思って」。お客様によくしゃべってもらうと、女の子が自分の情報を伝える時間が少なくなり、お客様の女の子のことを「知りたい」という欲求を維持することができる。
銀座流売れっ娘ホステスの会話術
著者:コタロウ
ロンドン大学機械工学部をファーストクラス、オーナーで卒業。社会福祉賞、優等生賞などなど数々の賞を受賞。帰国後は大手商社に就職したが、1年後に退職。NPO法人ブリッジを立ち上げ、日本人の留学支援をめざすが、商売がなりたたなく挫折。ITベンチャー企業の社長に拾われ、恩師と仰ぐ同社社長に水商売への転職を決意するきっかけをつくってもらい、現在は銀座のクラブ「ZEN」グループで黒服として働いている(発売当時)
本のタイプ
男心の理解も含めた男性目線の論理的な接客指南書。
ピックアップポイント
質問への回答
自分の主張を限定したり断定したりせず、お客様が自由に想像して解釈したり、自分にとって有利に働く方向へと転換させたりすることができるようにしておく。
例)好みのタイプの男性は?→話しやすい人かなぁ。何食べたい?→さっぱりしたもの。
褒め方
褒めるときは「その人自身」を褒める。
物について褒める時は「モノ+その人のセンス」をセットで褒める。
ギャップを作る
ギャップを作って自分のキャラをより魅力的にする。
例)清楚キャラなのにいたずら好き、セクシーキャラなのに実は奥手、天然キャラなのに礼儀正しい。
売れっ娘ホステスの会話術《笑わせ上手編》
著者:難波義行
コンサルティング会社「備後屋有限会社」取締役。ホステスに対する「お客を楽しませる会話方法」の指導で実績をあげる。これまでに指導してきたホステスの数は500名以上。その経験・実績をもとに書き上げた『売れっ娘ホステスの育て方』(こう書房)は、現役のホステスのみならず、OLや主婦、学生といった一般女性のほか、男性読者からも多くの支持を集め、ベストセラーとなった。
本のタイプ
会話力を高めるトレーニングが学べる。イメージが湧く描写で分かりやすい。
ピックアップポイント
コメントをおもしろくするポイント
物事のどこの着目するか。
話の「その先」まで想像してみるとおもしろいコメントが浮かぶ。
例)精肉店の冷蔵庫に肉塊を盗みに入って閉じ込められた泥棒。→どうやって持って帰るつもりだったんでしょうね。
共通の話題作り
お客様と話が合うように音楽やマンガは古い作品をチェックしておく。
お客様の年代に合った流行語も覚えておくと◎。おじさんの昔話を喜んで聞いてくれる人は少ない。
それをむしろ楽しそうに聴いてくれる貴重の場所が夜の街。
No.1キャバ嬢の誰とでも楽しく話せる技術
著者:あかね
0代からキャバクラに勤めはじめ、20代前半に東京・新宿の有名店でNo.1になる。現在は、キャバクラで働くかたわら、高級クラブでチーママ。(発売当時)
本のタイプ
業界を知らない人が読んで楽しい読み物。
ピックアップポイント
売れる嘘、売れない嘘
キャバクラは夢を売るために嘘をつくが、売れるウソと売れないウソがある。
お客様にとって都合の良いウソでないと売れない。
お客様の「お前はこういう女だ」という夢というか願望というか妄想を壊さないようにつとめる。現実を見せない。
男性は「派手な生活を送っている女」よりも、「早起きで、料理のできる、しっかりした女」が好き。
質問に答える時には
質問の答えの最後には「○○さんは?」を付ける。
相手は会話がしたくて質問してきているので、答えで終わらせず、キャッチボールになるように相手にボールを投げ返す。
例)「彼氏いるの?」には「彼女いるんでしょ?」で返す。
色々な質問でお客様がキャバ嬢から聞き出そうとするのは、「この女、おれのこと、本当はどう思ってるんだ?」という疑問のヒントになることだけ。
テーマは何でも良いので、「尊敬されている」「頼られている」と思ってもらう。
接客やコミュニケーションは本を読んだだけで身に付くものではないので、本で読んだ内容を実際の接客やコミュニケーションで実践してみて、自分に合った接客スタイルを作っていってもらえればうれしいです。