キャバクラで担当のキャストさんを持っている黒服をマネージャーといいます。
お店のキャストさんを数人~十数人ほど担当に持ち、そのキャストさんが働きやすいように、稼ぎやすいようにサポートするのがマネージャーの役割です。
難しい年頃の女性をマネジメントするので思い通りに行かずに大変なことも多いですが、信頼関係を築いて成果を出せるようになる過程はとてもやりがいがあって面白味のある仕事です。
マネージャーの仕事内容

出勤確認(調整)
キャストさんの出勤日に電話やメール(LINEなど)で出勤の最終確認と出勤時間の調整を行います。
この時来客予定や同伴(賭け同伴含む)の確認も一緒にします。
業務的にただ予定を聞くのではなく、「今日もお店に行って頑張ろう」と思ってもらえるように、楽しい感じで話すことを心掛けます。
出勤前の何気ないコミュニケーションは、その日のキャストさんのテンションを左右する重要なスイッチです。
私もキャリアのあるちょっと冷めたキャストさんを担当した際に、最初は全然電話に出てくれなかったことがありました。
それでも毎日不在着信を残し、メールでちょっと笑かすような呼びかけを続け、3ヶ月くらいかけてようやく電話に出てくれるようになりました。後から聞いてみると、毎日の変な呼びかけメールが割とウケていたようで、意外と楽しみにしてくれていたそうです。
おもしろいもので、電話に出てくれるようになった時期と、指名本数伸び始めた時期が被っていました。
接客・営業指導
未経験や初心者のキャストさんにはどのように接客や営業をするかを丁寧に教えます。
どんな接客や営業がグッとくるかを考えて伝える必要があるので、マネージャー自身が自分でもキャバクラに行ってみてお客様の気持ちを理解する必要があるでしょう。
具体的には、お客様への営業LINEのタイミングや文面、席での会話の広げ方などを細かくアドバイスします。
「お客様が何を求めて来店されているのか」という本質的なニーズを一緒に考え、キャストさん自身の個性や強みを活かした接客スタイルを確立できるよう伴走します。
接客や営業についてアドバイスできるように、マネージャー自身も「どうしたら指名を取れるのか」という知識スキルを持っておかなければなりません。
給与面談や1 on 1
キャストさんの給料日には給料明細を一緒に見ながら仕事のことについて話をします。
ノルマによる管理ではなく、本人の願望や目標月収などを聞いて、その実現のために必要な指名実績の目標を一緒に考えることが大切です。
一方的な説教や数字の押し付けではなく、コーチングの視点を持つことが重要です。
店長やマネージャーが気持ちよく滔々と"指導"している時、キャストさんや部下はほとんど聞いていないか、聞いていても1割も覚えていません。
だから相手の話をよく聴いて、質問しながら目標や行動を引き出すコーチングが必要なのです。
「自分で考え自分で決めた」
そう思わせることができれば自発的な行動を引き出すことができます。
ポイントメール
「今、指名のポイントが何ポイントで、あと何本取れば時給が上がるのか」をキャストさん自身が把握できるように、出勤した日の営業終了後にポイントメールとして送ってあげます。
キャストさんが働く一番の目的はお金を稼ぐことなので、あとどのくらいで時給が上がるのかをリアルタイムで把握させてあげることが大切です。
仕事意識が高いキャストさんほど重視しています。
項目はこんな感じです。
【本日実績】 本指名本数/売上/場内指名本数/労働時間
【今月実績】 本指名本数/売上/場内指名本数/労働時間/現在時給/時給アップまで○Pt

フォロー
初対面の方を含めて1日5~6時間会話しっぱなしでの接客はキャストさんにストレスと疲労を蓄積させます。
その他にも将来の不安や成績のプレッシャーなど病む要素も多いので、担当マネージャーが親身になって相手の事を考え、心のケアやストレスの発散を手助けし、気持ちよく安心して働いてもらえるようにフォローします。
キャストさんが辞めそうな時は「元気がない」とか「嫌なことが続いている」とか、雰囲気で分かる場合も多いです。
その時に放置して「辞める」と言い出した時に引き留めても遅いので、ちょっとおかしいなと気づいた時点で声をかけて吐き出させてあげることが大事です。
マネージャーの評価指標
出勤人数
まず出勤人数が揃わないことには営業できません。
私も学生時代にマネージャーをやっていた時、担当内から出勤が出せない日には上司から「お前の店は開けられへんな。閉店や」と言われ悔しい思いをしました。
安定した出勤人数は、マネージャーとキャストさんとの信頼関係のバロメーターです。
日々のフォローや的確なサポートが行き届いていれば、キャストさんは「今日もお店に行って頑張ろう」と思ってくれるようになります。
担当からの出勤人数を増やそうとすると、
出勤人数 = 担当人数 × 出勤率
なので、担当を増やすか、担当の出勤率を上げるかが必要になります。
週1~2で入店したキャストさんをレギュラーするのがマネージャーの手腕であり、「この子は週1で入店したしこのくらいだろう」と低い基準値を設定してしまうと、本当はもっと稼げた可能性に対して蓋をしてしまうことになります。
本指名本数
キャストさんが本指名を獲得して初めてマネージャーとしてお店の売上に貢献することができ、キャストさんのお給料を上げることができます。
担当キャストさんと仲良くしているだけではマネージャーである必要がありません。
マネージャーの正しい営業指導とモチベーション管理が機能しているかが、ダイレクトに数字として表れるのがこの本指名本数です。
キャストさんと共に成長し、喜びを分かち合える最大のポイントでもあります。
同伴件数
同伴出勤が多いお店は集客が難しい早い時間に売上を立てられるので、業績が安定しやすいです。
同伴は積極的に働きかけないと増えないので、同伴件数はマネージャーの力量を計る良い指標です。
ターゲット設定や当日の振る舞い方など具体的な方法も教えられず、
😤「予定無いならとりあえず賭け同伴でもなんでも行ってきて」
と、雑な勧め方をすると成功率が低く、キャストさんのモチベーションも下がってしまいます。
・どのお客様を同伴に誘うか?
・どのようにお店に連れてくるか?
マネージャーが一緒になって同伴の作戦を練り、実行を裏からサポートする手腕が問われます。
マネージャーはキャストのビジネスパートナー
キャバクラの黒服マネージャーの仕事は楽ではありませんが、担当のキャストが成績を伸ばしてお店から評価されたり、キャストさんから感謝されたりしたときには本当にやっていて良かったと思える仕事です。
仕事内容をまとめると、以下のようになります。
- 出勤確認・フォロー:日々の感情ケアを行い、働きやすい環境(心理的安全性)を作る
- 接客・営業指導:お客様の視点に立ち、売上を上げるための具体的な戦術を教える
- 給与面談・ポイントメール:目標を共有し、自発的なモチベーションを維持させる
これらを実践し、出勤人数・本指名・同伴という結果を出していく過程は、一般的な企業における組織マネジメントや人材育成と本質的には全く同じです。
キャストさんの人生に寄り添い、彼女たちの成功を裏方から支える、非常に奥深く魅力的な職業です。

